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建設業許可

①建設業許可が必要となるのは・・・

建築一式工事の場合
工事1件の請負額が税込1,500万円未満の工事、又は延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の工事の場合
工事1件の請負額が500万円未満の工事(請負額には消費税額を含みます。)
 これらの範囲を超える工事を請け負う場合には、建設業の許可が必要です。(建設業法施工令第1条の2)
もし、許可を受けずに許可を要する工事をしてしまった場合には、重い罰則がありますのでご注意ください。
これらに該当しない場合でも、元請会社さんからの要請で許可が必要となることも多々あります。
許可が取れるがどうかわからない場合、まずは当事務所にご相談ください。ズバッと解決いたします!

②建設業許可の要件

建設業の許可を受けるためには、次の6つの要件を全て満たしていなければいけません。
1 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)が在籍していること。
2 適切な社会保険に加入していること
3 専任技術者が在籍していること。
4 誠実性があること。
5 金銭的信用・財産的な基礎があること。
6 欠格要件等に該当しないこと。
細かく見て聞きましょう。
(1)常勤役員等(経営業務の管理責任者等)が在籍していること。
申請者が法人の場合は、常勤の役員のうち1人が、個人の場合は、本人(又は支配人登記をした者)が、次のア~ウのいずれかに該当し、営業所に常勤している必要があります。
 ア
建設業に関し(許可を受けようとする建設業以外も可。以下同じ。)5 年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
建設業に関し 5 年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者
建設業に関し 6 年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
(2)適切な社会保険に加入していること
(3)専任の技術者が在籍していること。
 建設業を行うすべての営業所に、専任の技術者が営業所に常勤していなければいけません。
この場合の営業所とは、本店又は支店若しくは常時建設工事の請負契約の見積、入札、契約の締結を行う事務所等、建設業に係る営業に実質的に関与する場所のことです。単純な資材置場等は営業所には当てはまりません。
 専任技術者とは、次のア~ウのいずれかの要件を満たす技術者のことです。
許可を受けようとする業種に関して、法令に定める資格を有する者。
高等学校(又は大学等)で、許可を受けようとする業種に関連する学科を卒業して、5年(又は3年)以上の実務経験を有する者。
許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験を有する者。
(4)誠実性があること。
 法人の場合は、その法人・法人の役員・支店長・営業所長、個人事業の場合には事業主や支配人が、「請負契約に関して不正な行為(請負契約の締結又は履行に際して詐欺・脅迫・横領等の違法行為)又は不誠実な行為(工事内容・工期等について請負契約に違反する行為)をするおそれがないこと」が必要です。
 
また、過去に許可を取り消されて5年を経過しない者、営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者などは許可を得ることはできません。

(5)金銭的信用・財産的な基礎があること。
 申請時点において、次のいずれかの要件を満たしていること。   
直前の決算期における自己資本の額が500万円以上であること。
 500万円以上の資金を調達する能力を有すること。
 (残高証明書や融資証明書を用意して証明します。)

(6)欠格要件等に該当しないこと。
下記に該当する場合は許可を受けることができません。 
申請後に警察等を通して身辺調査が入ります。「該当なし」として申請しても「該当あり」であることが判明すれば許可は受けることはできません。
1.許可申請書・その添付書類中に重要な事項について、偽りの記載がある場合・重要な事実の記載が欠けている場合
2.役員・令3条の使用人(支店長・営業所長等)・個人事業主本人・支配人が、次の要件に該当している場合
①破産者で復権を得ない者
②心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令定めるもの
③不正の手段により許可を受けたこと等により、その許可を取り消され、その取り消しの日から5年を経過しない者。また、許可を取り消されるのを避けるため廃業の届出をした者で、届出の日から5年を経過しない者。
④建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき・及ぼすおそれが大であるとき、または請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない者。
⑤禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行の終わりの日・その刑の執行を受けることがなくなった日から、5年を経過しない者
⑥次の法律の規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行の終わりの日・その刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 
   (1) 建設業法
   (2) 建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、労働基準法、職業安定法、
労働者派遣法の規定で政令で定めるもの
   (3) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
   (4) 刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、
第208条の3(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)、第247条(背任)の罪・暴力行為等処罰に関する法律
  ⑦ 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  ⑧ 暴力団員等がその事業活動を支配している者

③建設業許可の種類

 建設業法上の許可には以下に示す29業種があります。許可を受けた業種だけが500万円(税込み)以上の工事を請負うことが出来ます。許可申請に当たっては、各工事内容を十分にご確認の上申請してください。
土木一式工事業
 建築一式工事業
大工工事業
左官工事業
とび・土工・コンクリート工事業
石工事業
屋根工事業
 電気工事業
管工事業
タイル・れんが・ブロック工事業
 鋼構造物工事業
鉄筋工事業
舗装工事業
しゅんせつ工事業
板金工事業
ガラス工事業
塗装工事業
防水工事業
内装仕上工事業
機械器具設置工事業
熱絶縁工事業
電気通信工事業
造園工事業
さく井工事業
建具工事業
水道施設工事業
消防施設工事業
清掃施設工事 業
解体工事業業
 

④許可の区分

 建設業許可は、営業所の所在地によって都道府県知事許可国土交通大臣の許可に分かれます。
 
 1つの都道府県内のみに営業所を置いて営業を行う場合には、その営業所の所在する都道府県の知事許可になりますが、2つ以上の都道府県に営業所を置いて営業を行う場合(例えば、東京都内に本店、埼玉県内に営業所を置く場合など)には、国土交通大臣許可になります。 
 
 また、発注者から直接請け負う1件の元請工事について、下請に施工させる額の合計額が4,000万円以上(ただし、建築一式工事については6,000万円以上)となる場合は特定建設業の許可が必要となります。それ以外は一般建設業の許可で対応できます。下請け業者が2億円の工事を孫請け会社に発注したとしても、特定建設業には該当しないのです。
 
 許可の有効期間は、5年です。 

⑤事業年度終了報告書(決算変更届、事業年度終了届など)

 事業年度終了報告書は、建設業の許可を受けた建設業者は、事業年度(決算)終了後4ヶ月以内にを提出しなければなりません(建設業法第11条第2項)。
 また、届出をしなかった場合や虚偽の届出をした場合には、6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰金(建設業法第50条第1項第2号)に処せられることがある重要な報告書です。
 
 事業年度終了報告書には、もう一つ重要な意味があります。この報告書は、建設業許可申請書と同様に、建設業許可の所管行政庁(都道府県等)で一般の方が閲覧することが出来るのです。
つまり、事業年度終了報告書は、上場会社の有価証券報告書のように、建設業者の営業内容を広く知らしめる役割を果たしているわけです。従って事業年度終了報告書は、単に義務だから提出するのではなく、取引関係者に対する広告手段と位置づけ、企業イメージアップにつながる、正確で整然とした書類を作成することが肝要です。

公共工事に参加したい!

公共工事の入札参加を希望する建設業者は入札参加資格を申請する前に、経営状況分析申請経営規模等評価申請(経営事項審査申請)をすることが建設業法に定められています。ここでは入札参加資格を得るための一連の手続きについてご案内いたします。
手続きのながれ
決算書類等必要書類をお預かり
経営状況分析申請
↓ 
経営事項審査申請
 
入札参加資格申請

①経営状況分析

 この分析は適正な公共工事の施工を確保するために、工事の規模に応じてそれに見合う経営規模、施工能力、技術水準等を有するかを判断します。
入札に参加しようとする建設業者の経営体質を下記の8つの経営状況分析指標に従って厳正に審査します。
分 析 指 標
算 出 式
1.純支払利息比率(X1)
(支払利息-受取利息配当金)/売上高×100
2.負債回転期間(X2)
(流動負債+固定負債)/(売上高÷12)
3.総資本売上総利益率(X3)
売上総利益/総資本(2期平均)×100
4.売上高経常利益率(X4)
経常利益/売上高×100
5.自己資本対固定資産比率(X5)
自己資本/固定資産×100(固定比率の逆数)
6.自己資本比率(X6)
自己資本/総資本×100
7.営業キャッシュフロー(X7)
営業キャッシュフロー(2期平均)/1億
8.利益剰余金(X8)
利益剰余金/1億
当事務所は、頂戴した決算書を分析して、8つの経営状況分析指標に的確に表わされるようにアドバイス致します。

②経営事項審査申請

 建設業の経営事項審査申請とは、公共工事の入札参加を希望する建設業許可業者の方を対象にした、業者の規模および経営状況等を客観的に点数で評価する審査です。
 
 国や県、市町村などが発注する公共工事を元請で受注することを希望する場合は、経営事項審査申請を受けなければなりません。
 
 国や県、市町村といった公共工事の発注者が、入札参加資格の格付けをする際に客観的評価として、経営事項審査の結果通知書を用います。つまり、経営事項審査の結果通知書は、業者の通信簿とも言うべきものになっています。
 
評価基準は以下の4つです。

①完成工事高(X1)
 
 完成した工事の受注金額の2年平均または3年平均を点数化したものです。
 
②自己資本額・利益額(X2)
 
 自己資本額(=純資産額)と、利益額(利払前税引前償却前利益(営業利益+原価償却実施額))を点数化したものです。
 
③技術力(Z)
 
 業種ごとの技術者の数および技術力に対する評価と元請完成工事高に対する評価を点数化したものです。
 
④その他審査項目(社会性等)(W)
 
 会社の社会性や、その他の事項に関する評価を点数化したものです。「労働福祉の状況」、「建設業の営業年数」、「防災協定の有無」、「法令遵守の状況」、「建設業の経理に関する状況」、「研究開発の状況」「ISO取得の状況」「建設機械の保有状況」、「若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況」、「知識及び技術又は技能の向上に関する建設工事に従事する者の取組の状況」の10項目から評価されます。 

②経営事項審査申請の実施機関

 経営事項審査申請の審査権限者は、都道府県知事または国土交通大臣です。建設業許可が都道府県知事の場合は都道府県知事が審査し、国土交通大臣の場合は、国土交通大臣が審査します。ただし、経営事項審査申請は都道府県の各建設業担当の事務所で申請を行います。

経営事項審査申請の評点を上げるためには、どのようにすればいいのでしょうか。

1.利益重視の受注戦略を立てる。
 
 完成工事高は、経営事項審査申請における評価のウエイトが高く、力を注がなければならないものの1つです。ただし、採算を度外視した完成工事高の積み増しによって利益が赤字になるなど収益性が著しく低下する場合には、逆に総合評点が大きく落ちることに留意してください。したがって、完成工事高のアップもさる ことながら、採算を重視した受注を目指すことが必要となるわけです。
 
2.自己資本額の増加に努める。
 
 自己資本を充実させることは、実際の企業経営の安定に重要であり、長期的に自己資本額の増加に努めれば、経営状況の健全性等が改善されて総合評点がアップします。
 
3.技術資格者を育成・確保して技術力を充実する。
 
 技術力は、総合評点を計算するときのウエイトが前述の完成工事高の次に高く、総合評点の影響力が大きい項目であることがいえます。
 
 特に、完成工事高の低い中小規模クラスの企業の場合には、評点を上げやすい項目ですから、どの業種の得意分野として伸ばしたいか、経営戦略を明確にして職員に資格の奨励をするとよいでしょう。
 
4.労働福祉の状況を整備する。
 
 労働福祉の状況は、下記の5項目を対象に、各種の証明資料をもとに審査が行われます。
 
 点数の評価方法は、「法律上の義務」にかかわる項目(①、②)についてはその義務を怠った場合に「減点評価」され、その他の項目(③~⑤)については制度に加入したり、個別に導入している場合に「加点評価」されます。
 
 具体的には、減点項目では1つで40点を減点、加点項目では1つで15点を加点した上で合計点数を算出します。
 
〔減点評価される項目〕
 
①雇用保険の未加入
 
②健康保険及び厚生年金保険の未加入
 
〔加点評価される項目〕
 
③建設業退職金共済制度への加入
 
④退職一時金制度又は企業年金制度の導入
 
⑤法定外労働災害補償制度への加入
 
 もし、減点評価される項目1つでも該当するものがあれば、マイナスの評価となります。ただし、労働福祉制度に加入するにはその分コストもかかるのでこの点を考慮して制度を導入することが必要です。
 
 なお、くわしいことにつきましては、当事務所にご相談ください。的確なアドバイスをご提供いたします。 

③入札参加資格審査申請

 公共工事の入札に参加するための資格を得るための申請です。
経営事項審査の結果通知書に加えて、様々な裏付け資料を添付して入札したい自治体宛てに申請をします。建設工事だけでなく、全国各自治体宛ての物品・役務等の入札参加資格申請の申請も承っております。
定期申請は概ね2年から3年に1回することが出来ますが、定期申請以外にも随時申請が出来る場合が多いので、当事務所にご相談ください。
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